うさこ先生 推薦

わたしの推薦です

(総評)
自由研究には、初めて見るような「扱うもののおもしろさ」がある作品もあれば、よく見る題材なのに「アプローチのおもしろさ」におどろかされる作品もあります。調べたことをもとに、実際に模型を自作した人もいました。これはキットを使う場合などと違って、本当に理解していなければ工夫できず、大変な力作だったと思います。今回も、自作の実験装置や、手法を工夫し、予想と違ったり、はっきりとした結果がでなくても工夫をくり返した報告が多くみられました。(うさこ先生談)

推薦1:ふんばる1円玉

推薦2:目についての考察

推薦3:打ち水の研究―打ち水とミスト、効果があるのはどっち

推薦4:でん粉のりについて―いろいろなでん粉のりを作って、性質を比較する

推薦5:果物の酵素とゼリーの固まり方について

 

*各タイトルの後にある★印の年度とタイトルは、当HPで御紹介した過去の関連実験の報告です。今回御紹介している作品とあわせて、ぜひ参考にしてください。

うさ推薦1 ふんばる1円玉  6年(牧野 仁美)

★ 2002年 くまたろう 5年 細谷映麻理  「いろいろな浮き沈み」
★ 2002年 くまたろう 4年 草間 貴大 「水とその他の物質の関係」
★ 2003年 ユニーク 5年 匿名希望 「空き缶ボートを作る」
★ 2005年 類似 4年 中村 光希 「水滴ができるわけ」
★ 2007年 高校生 H1〜H2 結城 明姫 「水流中における空気柱の発生についての研究」

お金をひんぱんに使うようになったので、そのことを考えてみたところ、1円玉を水面に静かにのせると浮くことがあるのを思い出した。しかし、ちょっとのせ方を乱暴にしたりして失敗すると、沈んでしまう。そこで、なぜ1円玉が浮くのか不思議に思ったので調べてみることにした。

[実験と結果1]
1円玉の置き方と浮き沈みの関係を確かめた。
水平に静かにのせる、水面に垂直に静かにのせる、水面に水平にして水中で手を離すについて試し、写真に撮って記録した。
水面に静かに載せたときのみ浮かんだ。
その浮かぶ様子を観察してから、浮かんでいる1円玉を水面と離れないていどに軽く引っ張って、水面の様子を観察した。

[実験と結果2]
水面に接する面積と浮かす力の関係について、2cm、3cm、4cm、5cm角のそれぞれのプラスチック板を水に浮かべ、その上におもり(50円玉4g、1円玉1g、ホッチキスの針5本0.1g)をのせ、板が沈むときのおもりの重さを調べた。
三回測り平均する。その結果を表にし、また横軸を面積、縦軸をおもりの重さにして、グラフを書いた。
面積が増えると重さも増し、ほぼ直線で比例した。

[実験と結果3]
水面に接する面積と水面から引き離す力との関係を写真のような装置を作って確かめた。
腕が傾かないようダブルクリップをつけて位置を調整し、プラスチック板が水平になるように水面につけた。もう一方の板におもりをのせ、板が水面から離れるときのおもりの重さを測り、実験2のようにまとめた。

その結果、実験2と似ているが、話すまいとする力の方が大きい。

[実験と結果4]
水温と水面に働く力の大きさとの関係を冷水、常温、湯を使って、3cm角のプラスチック板について実験3と同様の装置で調べた。
また、水以外の液体で液面に働く力について、石けん水、カルピスで、3cm角のプラスチック板について実験3と同様の装置で調べた。

[まとめ]
1円玉が浮くのは1円玉にかかる浮力が関係しているのではないかと考えた。しかし、実験1のように、置き方で浮く場合と浮かない場合があるので、浮力以外の力がかかっていて、その力が1円玉を浮かせている。ことが分かった。
1円玉が浮かんでいるときは1円玉のまわりの水面が潜り込むようになっていた。このことから1円玉を支える力が働いていることが分かった。
水面から引き離そうとしたときは、水面が盛り上がった。このことから、1円玉と水面の間に離れまいとする力が働いている。
実験2から水面に接する面積が大きいほど板を浮かす力も大きいことが分かった。
実験2と実験3から、板を浮かす力よりも水面が離れまいとする力の方が大きいことが分かった。
実験4で温度が違うとプラスチック板を水面から話すときの力の大きさが変化するし、湯が一番小さいことが分かった。
液体の種類ではカルピスが一番大きかった。
調べてみると、この力は「表面張力」というものだった。
この力はアメンボに使われているのですごいと思った。
液体の種類によって表面張力の大きさが違うことに驚いた。

今度はいろいろな水面に1円玉ではなくアメンボをおいて実験してみたい。

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うさ推薦2 目についての考察  6年(吉川 史将)

★2008年 くまたろう 6年 姫野 美南 「目のトレーニングにより視力は上がるのか?」
★2005年 ユニーク 5年 森田 明理 「ピンホールカメラ大研究―家族の写真がとりたーい―

6年生になって急に視力が落ちて、僕はめがねをかけることになった。眼科で成長期には身体の成長に眼球の成長が追いつかなくて変形して視力が落ちやすいと教えてもらった。そこで僕は目について調べ、機能についていくつか実験をしてみようと思った。

[調べ工作と結果1]
眼球の構造について調べ、それをもとにして、眼球の模型を作ってみて、調べた眼球の構造を理解した。


模型の材料を選ぶのが大変だった。特に、虹彩と水晶体を動くように作りたかったので。
虹彩については本当の動きとは違うけれど、カメラの絞りの機能と似ているということと、料理の時に使う道具で大きさの変わる蒸し器のお皿の形が思い浮かび、利用できないかと、厚紙でなんども作り直して、この形を作り出した。それでも、なかなかスムーズに動かすことは難しかったので、まだまだ改良が必要だと思っている。
水晶体については本当はレンズみたいに光を通して映したりするのはさすがに無理だと思ったので、できればレンズ部分を取り替えたりするのではなくて、レンズみたいな機能があって、厚みを変えられるようなものはないかと探した。でも、結局どうしても見つけることができず、同じように引っ張られると形が変わるという模型にすることにした。
大切な目とはいえ、人間の身体のほんの一部分なのに、こんなに複雑な構造と働きをしていることが分かりとても感動した。

[実験と結果1]
近視と遠視はどう違うのか調べまとめた。
また、凸レンズと凹レンズのちがいを比べてみて、そこから近視と遠視のちがいを理解した。

カメラと眼球のちがいで一番大きな点は、ピントの合わせ方だとよく分かった。調べたように、眼球では水晶体(レンズ)の厚さを毛様体(筋肉)の収縮によって変えているが、カメラのレンズは焦点距離を変えることによってピントを合わせていた。
水晶体の形は凸レンズに似ている。
寒天とゼラチンレンズには一長一短があった。寒天レンズは丈夫だが濁りがあり、ゼラチンレンズは透明だがとても弱い。これはそれぞれの凝固温度(寒天35℃、ゼラチン13℃)が関わっている。
何度か失敗したので、自分の手を冷やしてかれ取り扱ったが、すぐとけてきてしまって大変だった。

[実験と結果2]
人間がものを見ると立体的に見えるのはどうしてなのか、視覚のずれ、立体視の方法などについて調べまとめた。また、カメラを使って立体視できる写真を撮って理解した。

この結果、写真@,Aはきれいに立体視できた。Bは鼻がダブって見え、CとDはまったくちがう写真がダブった。置物との距離を60cmにしたとき、もっとも立体視しやすい写真は点x〜点A〜点yの距離は20cm〜40cmという結果になった。
調整ではカメラと置物の距離に苦労した。カメラの画面に映したときにちょうどよい大きさになるというところにしたが、実際に写した写真を印刷してみると意外と小さくみづらかったりしたので、ほぼ画面一杯になるこの距離に決めた。また、2台のカメラを用意して点x点yで同時に写そうと思ったのだが、カメラの機種が違うとレンズやカメラ自体の大きさが違ってしまうことに気づき、同じカメラでそれぞれで写すことにした。なんども取り直したのは大変だった。

?[まとめ]
考えていた以上に構造もそれぞれの部分の働きも複雑で、人間の身体の機能のすごさが少し分かった気がする。

レンズについても知ってはいたが、近眼に凹レンズ、遠視に凸レンズを使っていることやそれがどういう理由で使っているのかもよく分かった。それから、人間がものを立体的に見ることができるのはどういう仕組みなのかも分かった。

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うさ推薦3 打ち水の研究―打ち水とミスト、効果があるのはどっち  4年 (武藤 彰宏)

★2007年うさこ 5年 小川あき野 「クーラーとカーテンで部屋をもっと涼しく!」
★2005年 くまたろう 6年 小川はる音 「涼しくなるかな?打ち水大作戦in ベランダ」
★2004年 うさこ 3年 小林 美砂 「ヒートアイランドについて-道の温度を測る」
★2003年 ユニーク 5年 勝俣有紗 「冷房の冷え方の研究」
★2001年 ユニーク 5年 薮 由香 「家の二階はなぜ暑い 」

今年の夏は気温が高く、よくプールやアイス、かき氷などで夏の暑さをしのいでいる。ここ最近のニュースや新聞などで打ち水をやっているところや、「ドライミスト」がでているところを見たので、それらはどのくらい効果があるのか、アスファルトのところと土のところはどのぐらい違うのかを調べた。
[調べる]
インターネットで打ち水やドライミストについてのニュースを集め調べた。また、それらが何かをまとめた。

[実験と結果1]
測定方法を決め、測定場所や測定風景の写真をまとめた。
8/9から8/18までの測定データを表にしてまとめた。同日のアメダスの資料も集めた。

アスファルトの地面がとってもあついことが分かった。しかし打ち水をすると平均3〜2℃は下がる。最高10℃下がったこともあった。
打ち水は土でも効果がある。平均1℃〜2℃下がった。
一部の結果で打ち水したら気温が上がってしまった。5日ほどあったが原因は分からない。
ミストは1.3mのところが一番効果がある。ほとんど20℃後半。いろいろなところで使われている。実際に中央道談合坂サービスエリア、秋葉原駅に行った。

[まとめ]
虫対策なしで実験にいったら1時間に50カ所ほど刺された。そのためあついけれど長袖、長ズボン、長靴で測定した。
これから発展的にしたいこととして、打ち水をしたが気温や地温が上がってしまった理由について調べたい。また、プラスチックやガラス、鉄などに打ち水しても効果があるのか調べたい。

この研究では、インターネットのグーグルマップ、グーグル、ヤフーニュース、気象庁アメダスの資料を使わせていただいた。ありがとうございます。

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うさ推薦4 でん粉のりについて―いろいろなでん粉のりを作って、性質を比較する  4年(塩澤 麻友)

★2003年 類似 5年 草間 貴大 「でんぷん調べ」
★2003年 類似 5年 齋藤 知佳 「デンプン反応とでんぷんの形」

小さい頃から使っていたでん粉のりを自分でも作ってみたいと思った。どのようにして作るか、そして、いろいろなでん粉のりによってちがいがあるのか知りたかった。

[実験と結果1]
でん粉と水の割合を調整しながらでん粉のりを作る。上新粉で水100mlに対し50g、25g、15gでかけとろみがでるまで火にかけた。色や匂い、温度、見た目、のりになるまでの時間を表にまとめた。
その結果、ぱさぱさにならず、のりとして使えそうなのは15gとかした、でん粉と水の割合が10対66の時だった。このあとの実験もこの量で行った。

[実験と結果2]
いろいろな食べ物のでん粉を使ってのりを作り比較した。
使用したのは上新粉、もち米の粉、わらびもちの粉、片栗粉、タピオカでん粉、コーンスターチ、うき粉。
それぞれの原材料やでん粉がたくさん含まれている場所を調べて表にまとめた。

さらにのりの透明度順や、半日、一日後、2〜3日後の状態を観察して、表にまとめた。時間がたつとカビが生えるものもあり、結局、うき粉が一番良さそうだった。

[実験と結果3]
ジャガイモからでん粉をとりだしてでん粉のりを作れるか調べてみた。



また、自分で作った各種ののりや売られているでん粉のりをならべて、写真に撮った。

[結果と考察]
作ったでん粉のりの接着力を比べた。2センチの幅のコピー用紙を貼り合わせ、乾いてから引っ張ってはがれないか観察した。結果の実物をレポートに貼った。
また、結果を表にしたところ、貼り合わせてすぐはすべて落ちず、乾いてからもすべてとれなかった。でん粉のりで接着した場所を比較したら、自分が作ったでん粉のりの接着した場所がかちかちになっていたのでびっくりした。のりを作るときの水分の量の関係だったのかもしれない。 番外編で途中疑問がでたので、熱湯をかけて混ぜてのりができるか実験した。
それぞれ火にかけたときと違って,粉がとけないで粒が残りざらざらしたり、かたまりになっていた。色も片栗粉が透明になっただけでわらびもち粉は粉がとけず沈殿してしまった。これらのことから熱湯では作りにくいと思った。
さらに接着力の実験をすると、貼ってすぐは全部くっついた。しかし、時間がたって乾いてからは、でん粉がきちんととけていないものは、引っ張ったらとれてしまった。火にかけて作ったときと比べて、できあがったときの温度が低かったので、のり状になりにくくて、接着力が弱くなった。 [まとめ]
いいでん粉のりの条件を「なめらかで伸びがいい」「ネバネバトロトロしすぎない」「くさらない(カビ)」と考え、自分でランキングを決めた。一番から「うき粉(小麦粉)」「タピオカでん粉(キャッサバ芋)」「コーンスターチ(とうもろこし)」「上新粉(うるち米)」「片栗粉(じゃがいも)」「もち米の粉(もち米)」「わらびもち粉(さつまいも)」である。こう考えた理由と、実際はどのように利用されているかを表にまとめた。 自分でこんなに簡単にでん粉のりが作れたのでおもしろかった。作ったすべてが接着し、はがれなかったのは予想外だった。でん粉のりの歴史を調べたら、古くなら時代から使用されていた記録があると知り驚いた。
うき粉が市販されているでん粉のりに近いと感じたが、原材料費がこの中で一番高かったので、大量に使うには向かないかもしれない。すべてのでんぷん粉について、調べるとのり以外にも使われていたので、実験で使いにくかったものも、使い道はあるということが分かった。

[参考資料]
グリコ栄養食品たべもの事典  でんぷんてなに?

日澱化学HP  でんぷんの性質

 

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うさ推薦5 果物の酵素とゼリーの固まり方について  3年(浦野 百寧)

2009年 うさこ 3年 増田 まい 「ぷるぷるゼリーの原料

家でゼリーを作るときゼラチンの箱に「生のパイナップルやパパイヤ、キウィなどのフルーツは、蛋白質分解酵素を含むため、ゼリーが固まらないことがあります。フルーツを似るか缶詰をお使いいただくと固めることができます。」と注意書きが書いてあった。本当に固まらないのか、またなぜそうなるのか、またたん白質分解酵素とはどういうものなのか知りたいと思った。

[実験と結果1]
いろいろな果物で作ったゼリーは固まるか固まらないか実験する。ゼリーが固まらなければその果物にはたん白質分解酵素があり、固まればその果物にはたん白質分解酵素がないとかんがえられる。
パイナップル、もも、バナナ、ブドウ、キウィ、なし、スイカで実験した。ゼラチンは森永クックゼラチンで、成分を表に記録した。


ゼリーが固まっているかどうかよく見えるようにコップを傾けてみた。

 

箱の注意書きに書いてあったとおり、生のパイナップルとキウィは固まらなかった。クックゼラチンはたん白質(コラーゲン)がはいっているのでその力で固まる。しかし、生のパイナップルとキウィにはたん白質分解酵素が多く含まれているので、ゼリーが固まらなかったと考えられる。スイカのゼリーもすごくゆるくしか固まらなかったので、スイカにもたん白質分解酵素が含まれているかもしれない。

[実験と結果2]
箱の注意書き通りパイナップルとキウィを煮てから作るとどうなるか実験する。


傾けて確かめると、しっかり固まったのがわかったが、パイナップルの方がキウィより柔らかかった。
熱を加えるとたん白質分解酵素はこわれる(なくなる)と考えられる。

[実験と結果3]
大根、キュウリ、トマト、にんじんなどの他の野菜でも確かめた。

その結果、にんじんは固まっているが揺らすとすごく揺れ、トマトは固まっているがキュウリと大根よりは柔らかかった。キュウリと大根は同じかたさで固まった。
この結果、野菜にはたん白質分解酵素があまり含まれていない結果になった。

[実験と結果4]
しかし、私はテレビで大根には酵素が多いと聞いたことがあるので、この結果に納得しなかった。
5mm角に切るのではなく、ミキサーですり下ろして実験することにした。そうした方が成分がでやすいと考えたからだ。

この結果、すべて固まった。トマトは他のよりは柔らかい。

[まとめ]
野菜にはたんぱく質分解酵素が含まれていない。大根に含まれている酵素は、種類の違うものかもしれない。インターネットで調べてみて、ちがいをまとめた。

 

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