ふしぎしんぶん
だい62ごう きえる ガムの ふしぎ

ガムとチョコ

ふしぎしんぶんのHPでは、小学生が夏休みに仕上げた自由研究を独自の基準で選び、紹介してます。昨年度の報告の一つとして、ここで取り上げたガムの不思議がのりました。
これを見た小さなお友達が試してみて、本当だったので「とても驚いた」とお手紙をくださいました。今回のお話はその体験談に基づいています。
保護者の方への解説では、ふしぎしんぶんHP「みんなの自由研究・2004年発表会」に掲載許可をくださった笹川さんの作品をもとに、お話を進めていきたいと思います。
『ガムを食べていたら、味がなくなってしまったので、チョコレートも一緒に食べた。チョコレートを食べ終ったら、なんと、ガムを飲んだわけでもないのに、ガムが消えてしまった。どうして、チョコレートと食べたら消えてしまったのだろう。』これが笹川さんの研究動機でした。
まず、どうして消えたのか、その理由としてチョコレートはべたべたするので、べたべたのものにとけるのではないかと予想をたてました。
そして、よくかんで味がなくなった板ガム一枚といろいろなものを、ビニル袋に入れてよくもんで混ぜ合わせる実験をしました。
もちろんチョコレートを入れたら溶けました。ケチャップ、ソース、お酢、オレンジジュースなどは溶けませんでした。
もっと試しています。ポテトチップは○です。サラダ油とバターも○。何となく、共通項が見えてきた笹川さん、ノンオイルドレッシングは×でドレッシングやマヨネーズは○です。チーズとカレーは○。少しのお湯でとかした砂糖や塩は溶かしませんでした。

こうして見渡した後に、溶けたものと溶けないものの成分表を調べ、ガムが溶けたものの成分表の中には、必ず脂質が含まれていたことを見つけました。溶けなかったものには、すべて脂質が含まれていなかったわけです。
また、脂質の多いサラダ油に入れたガムは溶けたもののなかで一番速く溶けてしまったそうです。特に、脂質が含まれていないノンオイルドレッシングの中に入れたガムはまったく溶けず、脂質が含まれているドレッシングに入れたのは溶けたことから、溶けるかどうかは脂質のせいとわかりました。
反対に、糖分の多い砂糖の中に入れたガムはぜんぜん溶けなかったことから、仮説で考えたガムを溶かしていた『べとべと』は糖分ではなく、脂質ということがわかったとまとめています。
さて、笹川さん、一方でロッテのホームページ等を利用し、ガムの原材料と成分を調べました。
ガムはガムベース(チクル等の植物性樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリイソブチレン(弾力性を出す))と糖類、香料、着色料などでできています。ガムをよく噛んで味や香がなくなった後に残るのは、ガムベースと呼ばれる水には溶けない樹脂の部分です。
つまり、ガムとチョコから、「樹脂」は水に溶けずに「脂質」にとける性質があることがわかったわけです。

 

 

 


樹脂いろいろ

中南米ではマヤ文明の時代から樹液を煮詰めて植物性樹脂天然チクルを作り出していたといわれています。現在のガムにもこれが使われています。他に人工の酢酸ビニル樹脂等いろいろ混ぜて作られています。この酢酸ビニルは脂溶性。油に出会うと、分子がバラバラになり溶けてしまいます。
ところで、樹脂という言葉もよく聞きますがこれはどのようなものなのでしょうか。接着剤にも消しゴムにも油絵の具にもコーティング材にも登場してくる言葉です。宝石の琥珀も樹脂です。
樹脂はとても幅の広い物質の総称なのですが、一番簡単な特徴はすごく複雑で長い分子構造をしていて水に溶けない固体です。
もう少し化学的な表現にすると植物から分泌される精油類のことで、酸の性質を持つ有機化合物とその仲間。炭素がくっついた有機化合物は生き物関連ほとんどの物質を網羅していますから、まあ、その範囲が広いのもうなずけます。

天然樹脂はよく木の幹から分泌されているのを見かけます。一般に脂(やに)と呼ばれるものがそれで、脂(やに)が太古の昔に固まって宝石になったのが琥珀でした。これらは古くから接着剤としても活用されました。インクや絵の具の定着材にも、防水にも利用されました。
合成樹脂も多く開発されており、天然樹脂に似ていたのでこの名がありますが、こちらは正確には樹脂ではありません。人工的に作られた変形しやすい合成高分子化合物で成型品の原料等として活躍しています。

 


今月の話題より・・・
ちょっと変わった絵本の楽しみ方

ガムがチョコレートで溶けるなんて絵本は一冊も見つかりませんでした。それだけ、今回の発見をした子は(みんなが寄せてくれたお話をもとにしてふしぎしんぶんは作製されています。)着眼点が鋭かったのですね。と、いうわけで今回はガムやチョコレートの出ている絵本を探しました。まずは、ガムのくっつくという性質を取り上げた「くっつくふしぎ」(福音館)以前にも紹介いたしましたが私達ふしぎ新聞制作者が著した絵本です。身の回りのいろいろな「くっつく」を紹介しています。また、「ねこガム」(同)は、題名からもわかるようにガムが主題。絵と擬態語のみで描かれる異色のたのしい絵本です。「ばばばあちゃんのおもちつき/アイスパーティ」(同)この二冊を好きなお子さんも多いのではないでしょうか?両方ともお料理の途中でチョコレートが登場します。

「マフィンおばさんのぱんや」(同)主人公のアノダッテは、パンづくりを覚えてもっとマフィンおばさんのお手伝いができるようになりたいと思い夜中にこっそり地下のパン工房へおりていきます。パン生地にチョコレートを混ぜて…どんなパンができるの?「エルマーのぼうけん」(同)皆さんも御存じエルマーの冒険です。お話のあらすじは言わなくともおわかりかと思いますが…簡単に述べさせていただくと、勇敢なエルマーが、どうぶつ島という所に捕まっている可哀相な竜を助けに行く冒険の物語で、ハラハラ、ドキドキが伝わってきます。このお話のどこにガムが登場するか、ぜひ探してください。年長さん位から読めるお話です。「大雪」(岩波)山に住むフルリーナとウルスリの物語り。フルリーナは「あらしの木」を世話をする心優しい子。そり大会の前日、糸屋に毛糸を買いに行ったフルリーナが戻ってきません。大雪だと嫌がるフルリーナを無理矢理行かせてしまったものですから、ウルスリは反省し心配します。フルリーナはどうなってしまったのでしょう。そり大会のパーティにチョコレートのツボが登場します。