ふしぎしんぶん
だい21ごう ブランコの ふしぎ

ブランコと共振

タイミング・・・
これが大切なのは出会いと会話。
・・・だけではなくて、科学現象にも、タイミングが大きな役割を果たしています。
お話のように、ブランコを押す時、タイミングが悪いと揺れを相殺してしまいます。ブランコの揺れは、振り切れる時にスピードが一瞬ゼロになり、体が進む向きが変わります。その一瞬を捉えて、前向きに押してやれば、揺れは大きくなっていきます。
下図のように、Aという振り切れた瞬間の地点、つまりスピードがゼロの地点で押すことで、Aで「ある速さ」を持つことになります。そうすると、次に戻ってきた時は、「ある速さ」でAを通過し、スピードがゼロになる地点がもう少し高くなることになります。これを繰り返すと、だんだん高く揺れることになります。
このように、ブランコの揺れの周期と、背中を押す周期が一致すると、揺れが大きくなります。

もう少し専門的な言い方をすると、物体の固有振動数と同じ振動を、外から周期的に加え続けると、物体がより大きく振動を始める現象にあたります。
これを共振と呼び、音に関して生じる場合は特に共鳴と呼びます。音も空気の振動ですから、同様に強まる現象が起きるのです。
ブランコの例のように、物体が共振するときは、外から加えられる振動のエネルギーがもっとも効率よく吸収されていて、大きく振動します。
逆に、振動の周期がずれると相手の揺れを妨げてけしてしまうこともあります。
ブランコをうまくこげない子供は、ブランコの揺れに自分の体の動きのペースを合わせられず、揺れを打ち消してしまっているのです。
地震で、特定の建物が大きく揺れたり、ある場所だけ崩壊したりするのは、この共振現象のせいです。これを避けるために、振動を相殺できる耐震構造などが工夫されています。


念力振り子?

図のように二つの振り子を作ります。重りは五円玉かなにかで充分です。こっち、と思った方をじっと見て、指先にあるかなしかの力を加える。すると・・・・
人の指先は器用なものです。ごく小さな力を加えることが出来ます。この力を加える周期が、狙った振り子の揺れの周期と一致すると、共振が起きます。
もちろん、振り子はひもの長さによって揺れの周期が違いますから、狙った振り子に合う周期で力を加えている時、他の振り子はほとんど揺れません。共振していないのです。

他の振り子にとっては、指先から加わる力は、ブランコをこげない子供と同じで、揺れを妨げる周期になってしまっています。
狙った振り子の周期をどうやって知るか!
これは、感としかいいようがありません。あるいは人の経験値?
「それ、揺れなさい・・」と何となく指先に力が入る、それだけでちゃんと共振してくれます。


今月の話題より・・・
ちょっと変わった絵本の楽しみ方

ブランコを上手に・・・
共振などということを意識しなくとも、子供はだんだん上手になりますね。(大人になって娘と一緒にのったら、酔いました。信じられない。)
「ひとまねこざる」(岩波書店)で、ジョージは上手に動物園の檻の中のブランコで遊んでいます。
「14匹のおつきみ」(童心社)の小さなくんちゃんは、みんながお月見台を作る間、ドングリの木の枝に作ったブランコにのせてもらっています。
「まいちゃんのいちにち」(小峰書店)まいちゃん、思いっきりブランコこいでいますね。
「おさんぽさえこちゃん」(偕成社)では、いっぱい遊具のある公園の風景が次々に登場して、つい、近くの公園に足を伸ばしたくなります。
共鳴は楽器。人は音の共鳴を楽器という形で利用して、昔から楽しんできました。弦や膜や箔の震えを筒や箱などを使って大きく共鳴させて、響かせます。

 

 

「ゆうびんやさんのオーケストラ−ティモシーとサラの絵本−」(ポプラ社)では、楽しい楽器で、郵便屋さん作曲の音楽の演奏。
「僕の村にサーカスがきた」(ポプラ社)では、少年の笛と大人の弦が厳しくも美しい生活を淡々と描きます。
「こぶたのマーチ」(福音館こどものとも・年中)こぶたのラッパがよく響いています。
「うたいましょうおどりましょう」(あかね書房)笛に太鼓にアコーディオン、バイオリン、シリーズ三作目で町中のみんなの絆が音楽で結ばれます。
「おおさまのみみはロバのみみ」で、床屋さんが山奥の穴に怒鳴った告げ口は、そこから生えた木で作った笛で広まりましたね。
「ハーメルンの笛吹」は笛が恐い効果を持っています。ちょっとちがうのですが、子供が眠くなる繰り返し「ねむねむさかな」(福音館)言葉と子供の瞼が共振していたのはうちの子だけ?