ふしぎしんぶん
だい14ごう みずの ふしぎ

水がくっつける力

去年一年間に、お母様方や幼稚園の先生が教えてくださった子供のふしぎには、たくさんの土や砂の水遊びが現れていました。とても多様で印象的でした。
水の表面張力はよく知られている液体の中で水銀の次に大きい物質です。表面張力とは、お互いに引っ張り合い固まる性質のことです。互いにぴったりとくっつくように引き合い、与えられた体積に対して最小の表面積を持つ。つまり球形になりやすく、蛇口のしずくなどでその様子が観察できます。また、水は自分だけで固まるのではなく、接触する他の固体にこびりつく性質があります。(くっつかない固体、私たちはそれを水をはじく物といいます。)物にこびりつき、水どうしもくっつくから砂の粒や泥の粒を引き寄せて団子にすることが出来るのです。

 

昔の理科を思い出す気力のある方はこの先をお読み下さい。何でくっつくか分子レベルでわかります。
水は酸素一つと水素が二つくっついています。原子は中央のプラスの電気を帯びた原子核の周りにマイナスの電気を帯びた電子が回っていました。電子の軌道によって、いくつ電子が入っていられるか決まっていて、一番内側が二個、その次が八個でした。酸素の原子が持っている電子の個数は八個なので、二番目の軌道に二つ空席があります。一方、水素の持っている電子は一つなので、内側の軌道に一つ電子が回っているだけです。そのため、結合すると、図のように酸素に水素が食い込むような形になります。形としてはミッキーマウスか、ティディベアの頭です。耳に当たる水素のところを見ると、原子核がぽつん・・・!

プラスを帯びた原子核が露出した形になっています。
ガラスや、木綿や粘土といったものの中にある酸素分子は結合の仕方のせいで、他と対を作りやすい電子を二つ持っており、マイナスとプラスの引き合いで、簡単に水となじんで、濡れ、くっつき易くなります。
ところで、先日新聞で京都教育大学の発達心理学の加用文男教授がネット上で日本泥だんご学会を発足させたニュースを見ました。おもしろそうです。


白玉だんご

白玉粉は餅米を砕いて寒中に水でさらして乾燥した粉です。だから、寒ざらし粉とも呼ばれます。
米や餅米、小麦粉など分子の細かいでんぷん質は昔からよくのりとして利用されました。
緑色植物には、光合成により太陽の光のエネルギーを化学エネルギーにかえでんぷんという形で種子や実、根、茎などにたくわえることができます。とくに穀類や芋類には多量のでんぷんがたくわえられています。
でんぷんは炭素、水素、酸素の三種類の元素からつくられる巨大な分子で、二百から千個ほどの分子が鎖状につながっています。でんぷんの粒は植物の種類によって形や大きさがことなり、ジャガイモのようにのりにならないものもあります。

でんぷんの分子は水に溶けて熱を加えられると質が変わり、バラバラになります。糊などはこのべとべと状態で、くっつけたい物の表面の目に見えないでこぼこの中にも食い込み、再び水分が蒸発することにより、でんぷん分子が互いにもう一度しっかりくっつくので接着できます。
白玉団子は、まず、水の力で泥団子のようにまとまります。
次にお湯でゆでることにより、一度バラバラになったでんぷんが絡んでひとかたまりになった団子の状態になります。
そして、食べます。
水で練る時、ストロベリーエッセンスを振ったり、ペパーミント酒を少々入れると、うっすら色づき、変わった風味でフルーツに合います。


今月の話題より・・・
ちょっと変わった絵本の楽しみ方

水が主人公の絵本といえば、なんといっても「しずくのぼうけん」(福音館書店)でしょう。むらのおばさんのバケツからとびでたしずくが、空の上や地面の中、川や水道とあちこち旅をします。水の循環や、三態がわかりやすく、お話としてもよくできています。
科学絵本の名作「たしかめてみよう」(福音館書店)には、水の実験がいろいろ載っています。水のほかにも、空気、音、磁石の実験もあって、「ふしぎしんぶん」の読者の本棚にはぜひ置いていただきたい1册です。
今回のテーマ水で、ホームページの方の原稿を書きながらいろいろな水色が面白くなり、娘の絵本棚を見ました。絵本に様々な青系統の色が使われていますが、同じ青でもこんなに違うのですね。

 

「ミロとまほうのいし」(講談社)、「クリスマスのはじまり」(佑学社)、「めっきらもっきらどおんどん」(福音館)子供の友傑作集、聖なる夜に(BL出版)天使のクリスマスを書いた人の字のない絵本、「月のしかえし」(徳間)幻想物語、「おもいでのクリスマスツリー」(ほるぷ)、「ドス・アギラス号の冒険」(リプロポート)椎名誠とたむらしげるのコンビという珍しい物、2000年9月号(五号)にも紹介した「月夜のみみずく」(偕成社)など、まだまだあって、こんなに様々な青の存在に感動しました。「日本の色彩・22の色」(Toda Design) は子供のための色の絵本ですが、これによると、青の明るいのがそらいろで、青が少しだけみどりがかっているのがみずいろだそうです。
水の話から水色の話になってしまいましたが、ぜひ、一度様々な青を本棚で探検してみてください。
おすすめの青があったらお知らせ下さいね。