くまたろう博士 推薦

わたしの推薦です

(総評)
不思議に感じたことを調べる対象として実験計画し、現象の秘密を解きあかしていくのは、容易いことではありません。まず不思議に思うものに出会えたでしょうか。そして、それをどのように調べてみるか、漠然とでいいですからアプローチの方向をきめられましたか。ここまででもなかなか大変です。さらに、自分の知識を総合して、具体的な予測をたて、実験を計画する。うまく行かなかった点を分析して追求する。表やグラフ、写真を工夫して研究内容を読む人に伝わりやすくまとめる。きちんと参考文献も示す。そんな作品をご紹介します。

推薦1:振り子の不思議

推薦2:シャープペンの芯の強度と消耗

推薦3:色を分解してみると?

推薦4:うずの研究

推薦5:今年も庭にきたカリバチ

推薦6:庭のす穴にキリギリスを運んでくるクロアナバチ(サイエンス・グランプリ受賞作品)**賞内容未定

*各タイトルの後ろにある★印の年度とタイトルは、当HPで御紹介した過去の関連実験の報告です。今回御紹介している作品とあわせて、ぜひ参考にしてください。

くま推薦1 振り子の不思議   6年(勝山 茉奈) 第13回サイエンス・グランプリ、サイエンス努力賞受賞作品

学校の授業で振り子について教わったとき、なぜ振り子の周期にはおもりの長さとふれはばは関係しないのに振り子の長さだけ関係するのかがとても不思議に思った。また、あるお店でカチカチ振り子が規則正しく動いている様子をみて、なぜこのような動きをするのかなと思い、自分でいろいろな動きを見つけてみたいと思った。それに、振り子は横に揺らすのが一般的だが、他にも違う揺らし方があるのではないか、もしあるとしたら横にらすときとどのような違いがあるのか気になった。私はブランコが大好きだが、ブランコに乗っているとき、これも振り子の動きに似ているなと思い、自分で振り子の決まりを発見してみたいと思ったので、振り子についていろいろ調べてみようと思った。

[調べる]

  1. カチカチ振り子について
    1. カチカチ振り子の規則性を探す
    2. 自分でカチカチ振り子をつくってみる。
    3. カチカチ振り子の力の伝わり方を知る。
  2. 回転振り子の周期について
    1. 振り子を回転させたときの周期はどうなるか
    2. 振り子を回転させたときの周期と振り子を横に揺らしたときの周期をくらべる。
  3. 振り子の規則・動きを使って絵を書く
  4. ペア振り子の不思議な動き
  5. フーコーの振り子について・・・上野国立科学博物館にあるフーコーの振り子をみたり、図鑑やインターネットで調べる。

[実験と結果1]
家にあるカチカチ振り子を使って動きを観察する。また、自分でペットボトル等を使ってカチカチ振り子を実際につくって、あてる玉の数を変えたり、あてるものをビー玉やスーパーボール、大きいビー玉に変えて動きを観察する。


あてる玉の数についていろいろな場合で自然に止まるまで観察した。また、片方の一つの玉の当てる角度を20度から90度まで4種類変えてカチカチ回数を調べた。五回の平均をそれぞれ求めてみると角度が小さくなるにつれてカチカチ回数が減る。ただし、90度から45度くらいまではあまり変わらない。


普通サイズのビー玉5個で自作すると、カチカチの回数は少し少なかったが、お店と同じような動きをした。きちんと「カチカチ」音がして嬉しかった。身近なものでカチカチ振り子が作れるのはびっくりした。
大きいサイズのビー玉を一つつるした場合は、重さに差がありすぎたのか上手くできず、大きいビー玉をぶつけると普通のビー玉がごちゃごちゃになってしまった。普通のビー玉をぶつけると大きいビー玉はあまり動かなかった。
その他にも、いろいろな組み合わせやスーパーボールを使用したもの等を試した。スーパーボール5個ではぶつかった力が吸い込まれるようにしてだんだん飛ぶ高さが低くなり全部いっしょに揺れはじめる。

[実験と結果2]
振り子を回転させたとき、長さ、おもりの主さ、輪の大きさを変えると一周期でかかる時間はどうなるかストップウォッチで測る。また、振り子を横に揺らしたときと振り子を回転させたときの違いを見つける。
予想通り、振り子の長さを帰ると周期も変わるがおもりの重さや輪の大きさを変えても周期は変わらなかった。横揺れの振り子の長さが4倍になると周期は2倍になる条件がここでもあてはまって驚いた。
横に揺らすのと回転させる時の周期をくらべると横に揺らす方が少し遅い。はじで一瞬止まる部分がないので輪を描く方が少し早いのだと思う。

[実験と結果3]
画用紙を丸めて円すいをつくりその先を直径2mmくらい開けた中に砂を入れ、糸でぶら下げ動かし絵を書く。


糸のつるしかたをいろいろ変えてかける図形から動きを考えた。

[実験と結果4]
ペア振り子をつくり、いろいろな動きをさせて片方がどのような影響を受けるかを観察する。長さをそろえたもの、そのままつるしている棒を斜めにした場合、ペアの球のサイズを違えたもの、ペアのひもの長さを違えたもの等で動きを調べた。

[感想と反省]
今回の自由研究は実際にいろいろな振り子を自分でつくってみて動きを確かめることができてとても楽しかった。どのように力が伝わるのか等の疑問が増えてしまい、もっと調べてみたいことも残ってしまったので今後の課題として続きをやってみたい。

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くま推薦2 シャープペンの芯の強度と消耗   6年(前田 遥香)

★2005年 うさこ 4年 前田 遥香  「紙の強さの研究」

最近、鉛筆に代わってシャープペンを使う機会が多くなった。実際、芯を削る必要がなく、一本の芯が長もちするなど大変便利だ。反面、芯の先を長くしたり強い力で書いたりするとすぐに折れてしまう。私はBの芯を使用するが、他にもいろいろな種類の芯がある。芯の種類によってどのような差があるのか、強度や消耗具合に興味を持ち調べてみた。

[目的]

  1. 芯の種類(4B、2B、B、HB、2H、4H)による強度を調べる。
  2. 書くときの力(筆圧)と2mm出したときの芯の消耗度合いを調べる。芯(HB)と紙の種類は一定。
  3. 同じ条件(筆圧・おもり300g)での芯の種類別の消耗度合いを調べる。
  4. 同じ条件(筆圧・おもり300g、芯の種類・HB)での紙の種類別の消耗度合いを調べる。

[実験と結果1]
写真のような装置をつくって強度を調べた。



データを表にして比較すると、芯はうすい(4Hの方)ほど強さがあった。(グラフ参照)短いときには種類別の強度差が大きく、長くなると差は余りない。長いほどしなってきて根元から折れやすい。30mmでは5mmのときの1/5〜1/7の強度になる。一番固い4Hは5mmと30mmの差がもっとも大きかった。

[実験と結果2〜4]
写真のような装置を使い、回転数を比較することで消耗度を調べた。


2.の芯にかかる重さを100g〜500gまで変えると重さが重いほど芯の消耗が早かった。500gでは芯が引っ込んでしまって測定不能だった。400gでは100gに比べて7.5倍も消耗が早い。

3.の芯の種類別ではグラフのようになった

4.つるつるのカタログ紙、つるつるのフィルム、ざらざらの細かいサンドペーパー、ざらざらの荒いサンドペーパーでは、紙の違いによって芯の消耗度に大きな違いが出た。普通紙では41回か移転出来たものが、表面がざらざらになるに従って1回転もできなかった。つるつるカタログ紙の場合、書いても跡がつかず消耗がまったくなかった。

[感想]
今回の実験を通して、芯の種類によって様々な差があることがわかった。強度については思っていた以上に芯の種類別の差があり、特に5mmのときの4Hの強さに驚いた。4Bは意外に弱かった。
消耗については、一定の力で書く場合、4Hは4Bの60倍以上も消耗が少なく、長く書けることにびっくりした。紙の種類によってこんなにも芯の消耗度が変わるとは予想外だった。

今回学んだことを元に、芯の種類別の特性を生かし、その使い方を考えていきたい。例えば、書く力の強い人は硬めの芯を、書く力の弱い人は軟らかめの芯を使うなど工夫することも大切だと思った

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くま推薦3 色を分解してみると?   5年(岩崎 莉乃)  -ペーパークロマトグラフィーの手法を用いて-

★2002年 類似その2 5年 山田悦子 「2」食べ物の色を調べてみよう」

この研究をしてみようと思ったのは図工の授業で絵の具の「黒」を使わずに黒っぽい鰺の絵を描いたことがきっかけだ。黒以外の色だけでいろいろな黒やグレーが作れたことに感動した。また、小さい頃お父さんのワイシャツについた緑のボールペンのシミを洗濯したら、青いシミが残って不思議に思ったことも思いだした。このようなことから、色の要素・変化に興味を持ち、色を分解することはできないか、研究してみようと思った。そこで、インターネットで調べてみたところ、ペーパークロマトグラフィー(まざっているものをろ紙を使ってより小さな成分にわける方法)という実験方法があることを知り、これにチャレンジしてみることにした。

[実験と結果]
紙にインクを少量つけ、図のようにしてサンプルが時間経過とともにどのように変化するのかを観察した。


1.どのような紙がこの実験にふさわしいか、画用紙、コピー用紙、クレープ紙、キッチンペーパー、油こし紙で試した。その結果、クレープ紙が最適なのでこれを使うことにした。

2.どのような種類のインクがこの実験にふさわしいか、「黒」の水性や油性、墨汁、絵の具など7種類について調べてみた。その結果、この実験には「水性サインペン」がもっともふさわしいことがわかったので、以降はこれを使うことにした。

3.2.でもっともふさわしいと考えられたサンプルについて、他の色も調べてみた。寺西化学工業ラッションペン(水性サインペン)の赤、黄、緑、青、茶。


赤と茶は黒と同様、サンプルを残しながら水と供に上昇した。赤は上ほど濃く、下ほど淡いピンク。茶は下の方にグレー、途中黄やピンクに分かれて上昇したが、それらは残されず、最後は再び赤っぽい茶に戻って上昇した。
一方、青は水より遅れながら上昇し途中までしか上昇せずすべてが残された。ポイントにもかなり残され、下ほど濃く、上ほどうすい青が残された。黄と緑はすべてが水とともに上昇してしまいサンプルは残されなかった。

4.色の混ざっていそうな中間色(オレンジ、紫、ピンク、水色、黄緑、灰色)で試してみた。
その結果、オレンジはピンクとオレンジ、ピンクはピンクというように「黒」同様にサンプルを残しながら水とともに上昇した。他の色はすべて水と供に上昇して、途中に何も残らなかった。途中いくつかの色に分かれたりしたが、との色も上昇のスピードはほとんど同じで、水とともに上り、最後はいくつかの色が横一線に並んだ。

5.同じ色でもメーカーによって違うのか、3.4で変化のあった黄緑と黒について、各々三つのメーカーのサンプルを調べた。黄緑はトンボプレイカラー2、三菱ピュアカラー、パイロットカラーペン。
黒は先ほどのラッションペン、三菱PIN、ぺんてるサインペン。
その結果、黄緑は三社ともいくつかの色に分かれながらどの色も横一線に並んで上昇したが、その途中の色の組み合わせ、現れかたは三社それぞれに違った。
黒は三社ともサンプルを残しながら水とともに上昇した。前ニ社は細長く上昇、最後の一社は横に広がりながら上昇した。真ん中の一社は黒とこげ茶の2色にしか分かれず、他の社は多色に分かれた。

[考察]
サンプルの上昇のしかたには次の4パターンがあった。
a. 途中に色を残したまま上昇する。もっともペーパークロマトグラフィーらしく色がたてに分かれたもの。
b. 途中に色は残さないが何色にも分かれて上昇する。ペーパークロマトグラフィーらしくはなかったが、色が横一線で分かれたもの。
c. 途中で色を残すが最後には残された色も上昇する。途中段階では、ペーパークロマトグラフィーらしく色がたてに分かれたが最後は元の色に戻ってしまった。
d. ほとんど上昇しない。ペーパークロマトグラフィーにふさわしくなかったもの。
以上の結果から、すべてのサンプルを4つのパターンのどれにあてはまるかをまとめた。

このような色の上昇は一色に見えるインクも、実はいくつかの種類の違うインクの粒(分子)でできているからだと思う。それらは水に混ざりやすい分子と混ざりにくい分子があるのではないだろうか。
混ざりやすい分子は水の分子とくっついて水とともに上昇する。が、反対に混ざりにくい分子は水といっしょに上らずに残されて、紙にくっついたまま残るのではないか。
この考え方で、4パターンが起こる理由も説明してみた。
また、今回のサンプルがどのような色に分解されたかを各色ごとにまとめて表にした。

[まとめ]
今回の研究は意外な結果がたくさん出てきてとても面白かった。実験中は結果がばらばらでどうなってしまうのかと思ったが、実験がすべて終ってからまとめてみたところ、うまく結果のパターン分けができ、スッキリした。それを分子の考え方で考えてみたら、少し難しかったが、うまくあてはまったような気がする。しかし、本当にこの考え方が正しいのかはわからない。これからいろいろ勉強してもっと詳しく知りたい。
実験に必要な紙はろ紙がいいとインターネットには書かれていたが、家にある身近な材料ではゆいいつ成功したのがクレープ紙だった。理想的なろ紙ではどうなるのか知りたいのでいつかやってみたい。
実験の中で中間色が見事に分かれることをとても期待したのだが、横一線にしか分かれず残念だった。新しいタイプのペンだったのでにじまないような工夫がされているためではないかと思った。このような工夫されたものではなく、自然な色がそのまま出そうな野菜の汁や果汁、食品の着色料などで実験してみたら、もっと面白い結果がでるかもしれない

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くま推薦4 うずの研究   4年(青木 佐由美)

★2007年 中学 1年  J. T. 「お風呂でできる台風」 

私はよくお風呂の浴そうにそっと手を入れてうずをつくって遊ぶ。そのときに「どうやるとうまくうずができるのかな?」「どうしてうずができるのかな?」と思い、前からうずに興味があった。また、ふだん洗面所やお風呂の浴そうのせんを抜いたとき、うずができるのを見たことがある。だからうずのまき方や方向について詳しく調べることにした。
まず、生活の中でどのようなときにできるうずがあるかを思いだしてみた。洗面所、お風呂のせんを抜いたとき、お風呂の浴そうにそっと手を入れたとき、台風、たつまきなどがある

[実験と結果1]うずをつくる
1. じょうごを使って出口をてのひらで押さえたまま、水をいっぱい注ぐ。そして、手を話し手で愚痴から水が出る様子を観察した。すると、うずはできたりできなかったりした。できたときもうずを巻くのが早く、一瞬しか見ることかできなかった。
2. からのペットボトルに水をいっぱいにして逆さにして手をはなす。ペットボトルの口から水がゴボゴボ出て水面が激しく揺れて、うずはできなかった。
3. ペットホトルに空気穴をあけるとすーっと水が出てしまい、ごほこぼはならなかったが、うずはできなかった。
4. ペットボトルの口を小さくした。ふたにキリで6mmの穴を開けた。うずができた。

[実験と結果2] うずをよく見る
1. 洗面器を使い、ハンダごてで穴を開け、いろいろな穴で実験をするためにプラスチックのファイルに穴を開けたものを使った。


2. 1cm、2cmのあなでうずができた。真ん中は台風の目のようになった。
3. また、うずをよく見えるようにするために、いろいろ工夫をして最終的にしょうゆさしでアクリル絵の具を流し込んでうずを見ることにした。

[実験と結果3] うずの巻く向き
1. うずはどちらまきかたしかめるために、ファイルを細く切ったものでふたをして横にスライドさせて少しずつ抜いて穴を開けていく。20回中18回は時計まわり、2回は反時計まわりになった。北半球だから反時計まわりにうずができる台風などと違って、せんの抜き方に関係があると思う。右から引き抜いたので左端から穴があくのが原因かもしれない。
2. 穴を手でふさいで左右対称になるようにしてはなしてみる。10回中4回が時計まわり、6回が反時計まわりになった。地球の回転の力の影響などより、少し揺らしてしまったり、水を入れたときの波が収っていなかったりというようなことの力の方が、洗面器のうずには影響をおよぼす。
3. うずの下はどうなっているか洗面器をつるして実験した。思ったほど捩じれていないで、少しだけ捩じれていた。
4. うずをできなくする道具があり、ボルテックスブレーカー(うずくずし)という。これを穴においてみると少しだけうずができたが、スピードも遅く、真ん中の穴のようなものもできなかった。


5. うずがあるときとないときでは水の流れ出す早さがどのくらい違うか。平均を比較すると、うずありが26.4秒、うずなしが24.8秒とうずがない方が約1.6秒早く流れ切った。うずがない方は穴に向かってすーっと水が出るがうずがある方はぐるぐるとまわって穴から出ていくので遠回りになってしまうのかもしれない。

[感想と反省]
一番印象深かったことは、「うずはどちらまき」ということだ。予想では台風のように反時計まわりだと思ったが、洗面器のうずは時計まわりと反時計まわりが半分ずつくらいだった。うずがあるときより、うずがないときの方が水が流れるスピードが早かったことも、意外だった。次回は朝、昼、晩でうずの方向やまき方が違うのか、うずの方向は月の満ち欠けと関係しているかなどを調べたい。

[参考]
たいふう(科学のとも1998年9月号) 野口勇作・根本順吉  福音館書店
http://tenki.jp/


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くま推薦5 今年も庭にきたカリバチ  4年(井関 貴暁)

★ 2006年くまたろう 3年 井関 貴暁「庭のす穴にキリギリスを運んでくるクロアナバチ」
★ 2004年データ  4年 齋藤真裕美 「ミツバチの研究」

7月の中旬頃庭においてあるレンガの穴付近にまわりが土でもられたす穴のようなものを見つけた。
その穴が何のす穴か観察していると、その穴からハチが顔を出した。このハチは去年7月下旬頃何度もキリギリスを抱えてす穴に持ち帰ってきたカリバチと同じだった。さらに何日か観察しているとそのハチが大きな羽音を立てて庭を行き来し始め、す穴にキリギリスを持ちかえってきた。去年は一日しか観察できなかったので、今年はす穴をつくるところからしばらく観察してみようと思った。

[観察]
11箇所のす穴に番号をつけ、7月中旬から8月上旬にかけてハチのす穴、行動、す穴の出入りについて観察した。とくに7/22、24、28日に関しては1日中8時から18時まです穴へのハチの出入りを観察した。室内2ケ所から観察し、ハチが穴から出ていった時刻、その場所、また狩をしてす穴に帰ってきた時刻とその場所について記録した。2つのすについてはよく見える場所にあったので1ヶ月にわたりす穴がどうなるかを観察した。す穴に運び込まれたきりぎりすの数と持ち帰った時間の関係、す穴別の総数、す作りや狩の時期、見かけなくなった日のす穴ごとの表などを整理した。最後にハチのいなくなったす穴を掘りその深さや中の様子を調べた。


す穴の一つの様子・ちょうどハチが顔を出している


毎日の観察記録



す穴の出入りの記録


ハチの行帰りのルート

[考察]
去年はクロアナバチだと思って調べていたが、いろいろ調べた結果トガリアナバチに似ていた。このハチが庭に巣を作ってキリギリスを運び始めた時期は去年と同じだった。7月に入り、晴れが続き、気温が上がったからだと思う。
雨の日がなくてその日の活動はわからないが、朝小雨が降っているときでもキリギリスを持ち帰っていたので、ハチは小雨でも活動していることがわかった。
すの何ケ所かは去年と同じ場所で、草むらの中や木の下など雨のきにくい場所だ。去年その巣で生れ育ったハチがその巣を使っているのか、それともまったく別のハチがその巣を使っているのかはわからない。ハチがキリギリスを持ち帰る数は日中が多く朝夕が少ないのは去年と同じだった。暗くてキリギリスを見つけにくいからかもしれない。
ファーブル昆虫記によるとトガリアナバチはキリギリスを狩って帰ってくるとす穴の入り口に一度キリギリスをおいてから自分が先にす穴に入り中でUターンをして、頭を地上に出してキリギリスを巣に入れるという。また、最後にす穴をは慣れるときはその入り口を小石や土で埋めてしまって別の場所に行くとしか書いていなかった。が、庭にきたトガリ穴バチは違った。キリギリスを抱えて飛んだまます穴の中に入っていく。最後は入り口をうめることなくそのままだった。
また、ハチがす穴のまわりを何回も旋回してから飛んでいくのが見られたが、この行動はクロアナバチにも見られ、本によると自分のす穴の場所を覚えるためらしい。トガリアナバチもこの行動ですアナの場所を覚えているようだ。
今回ハチを見かけなくなってからす穴を掘ってみたが、何も出てこなかった。クロアナバチのす穴の様子を本で調べたが、すの深さは庭に出来す穴と同じくらいだった。庭のす穴は土が固く石が混じっていて掘りにくく広くほれなかったので形はよくわからなかったが、いくつもの部屋のあるクロアナバチの巣の形に似ているのかもしれない。集計の結果、合計20?30匹のキリギリスが運び込まれたと考えられる。本によるとクロアナバチの巣の部屋は3?5個あり、2つのす室に3?5匹のキリギリスが運び込まれると書いてある。また、キンモウアナバチではす室が8個、一つのす室に2?5匹である。よってトガリアナバチがす室に運び入れるキリギリスの数を考えるとクロアナバチやキンモウアナバチと同じような巣を作っていると考えられる。

[感想]
今年でこの研究は2年目だが、同じ結果が出たり、新たにわかったこともあった。今回はす穴の中にいるハチの様子を見ることができてよかった。ビデオにとったものを見てみるとハチはいろいろなしぐさをしていることがわかった。撮影はタイミングがあわずとても大変だった。また、かりを終えて帰ってきたハチを撮影したくとも、別のハチがすごい羽音を立てて飛び回り、窓や網戸にすごい勢いでぶつかってくるので窓を開けて撮影しようと思うととても恐かった。昆虫写真家は本当に大変だと思った。
今回はいくつかのす穴を掘ってみたが何も出てこなくて残念だった。土が固く掘りにくく、またまわりにしき石があるので広くほれなかった。す穴の中をファイバースコープのようなものでのぞいてみたいと思った。
毎年不思議に思うことはハチはどこまでいって、どうやってキリギリスを見つけてくるのか、またどのようにしてかりをして、どうして迷わずに遠く離れた自分のす穴に帰ってくるのかだ。ハチにどこにいるのかわかる装置のようなものをつけてみたいものだ。また、一つのす穴について毎日どのくらいのキリギリスを持ち帰るのかを見たいのだが、毎日一日中観察することは大変なので、す穴のそばにモニターのようなものをおいて観察できればと思った。
ハチの観察も今年で2年目になるが、はちが緑色のきりぎりすをかかえて飛んできて、すっと自分のす穴に入っていく光景は何度見ても魅入ってしまう。ハチのいたす穴がこれからどうなるのか、これからも見ていきたいと思う。

[参考]
1. あっハチがいる!(晶文社)
2. アナバチの生活(さ・ら・え書房)
3. カリハチ観察事典(偕成社)
4. 世界文化生物大図鑑(世界文化社)
5. 謎とき昆虫ノート(NHK)
6. ファーブル昆虫記・3下(集英社)
7. 虫の本能を探る(岩崎書店)

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