ふしぎしんぶん
だい47ごう めぐる みずの ふしぎ

河川の源泉

源泉をたどるハイキングがあります。河には始まりがあります。陸、海、大気の間を循環する水、この大循環の中で、河は陸から海を繋ぐ大切な役割をはたしています。
水源として私達がすぐに想像できるのは、わき水ですが、他にも泉や湖沼が水源となっている河もあります。変わったところでは氷河が水源となっている河や、洞くつの中から流れ出ている河もあります。
さて、わき水や泉について考えてみましょう。山の斜面や岩肌、がけなどから水が沸き出していることがあります。
この水は降った雨が地下にしみ込んで岩石の隙間や断層の間をぬって滲み出てきたものです。
大地には固まった溶岩などの水を通さない性質の岩があります。一方で、砂岩や石灰岩、砂礫や土壌のように水を通すものもあります。
水を通さない岩石の層の上には、水がたまります。地上でたまると湖沼になり、地下でしみ込んで行った水がたまると地下水になります。
地下水というと、何となく空洞に水がたまっている場面を想像する人も多いようですが、実際には水を通す岩や土壌が水で飽和状態になっているだけです。そのため、穴が空けばそこから水がシミ出てきます。
地面の下にはある高さのところに地下水の水面(飽和している層の最上部)が存在しています。地下水の層の水面が地表と一致したり、それより上になったりすると、地面から水が沸き出してきます。ちょうど、水をはったバケツに空の植木鉢を少しずつ沈めると、底の穴から水が沸き上がってくるように、泉の底からは、水がぼこぼこと沸き上がってきます。バケツの水面が地下水の水面、植木鉢が盆地とでも想像して下さい。

地面から水が沸き上がっている場所は、たいていその周囲により高い地面があって、地下水の水面が高めになっています。
5月19日の朝日新聞に「上野地下駅、地下水位上昇のため、浮上の恐れ」という記事がありました。新幹線ホームのある地下駅周辺の地下水の水位が上昇して駅が浮かび上がったり、水圧でひびが入る可能性があるため、650本のイカリを地下に打ち込んで浮上しないように工夫するそうです。
現在、すでに4万トン近い鉄の塊で重しをしているとか。設計当時の地下水面が地下38メートルだったのが、地下水汲み上げ規制の効果で水位が上昇、現在は地下12メートルにまで上がっているためです。新幹線駅の底が地下30メートル。現在は完全に水に浮く船状態。どこかに亀裂があれば、そこから水が洩れだしかねません。


硬水と軟水

源泉の水はとてもきれいな印象ありますが、それはあくまでも地下水が湧き出している場合です。
湖沼が水源であれば、きれいなことはきれいでも直接の雨水も入ることから、今日の世界の大気環境を考えると、微妙なものがあります。
また、スイスアルプスの氷河から流れ出ている水は白濁しています。硬質な水質とともに、氷河に含まれている多くの不純物も混じりこんでいるからです。
水と一口にいいますが、カルシウム、マグネシウム、あるいは鉄といったミネラル(無機質)が豊富な水は硬水と呼ばれます。硬水が含むものの中では一般的にカルシウムの含有量が一番大きいですが、どのミネラルであれ含有量が高くなれば,水の硬度は高くなります。
ミネラルウォーターの成分表示を見てみると、含まれているミネラルの種類が確認できます。




雨がミネラルに富んだ土壌を通過する際にミネラル分が溶け出すためにヨーロッパの飲料水は硬水になっています。
ミネラルをほとんど含んでいない水は軟水と呼ばれます。日本の水道水はほとんどミネラルを含んでいません。
硬水では石鹸の泡を立てるのが難しいものです。というのも、ミネラルが石鹸と結合して石鹸滓 (水に溶けないワックス状の物質)になってしまうのです。
ご飯は軟水で、パスタは硬水で調理すると、その組成状おいしく仕上がるようです。

 


今月の話題より・・・
ちょっと変わった絵本の楽しみ方

絵本の中に河が現れる場面は案外多く、その現れ方も多様です。
河を渡ったり、その上を進んで行くお話には「ガンピーさんのふなあそび」(ほるぷ) 家の前の河に船を一艘もっています。漕いで出かけると次々に皆が乗りたがり、とうとう船は・・・「だいくとおにろく」(福音館) 昔、流れの早い大きな河に橋が架けられず皆が困っていた時、大工さんが鬼に頼んでまんまと橋をかけますが、かわりに目玉をとられそうになります。「いかだはぴしゃぴしゃ」(同) クマさんは筏で川下り。「まがったかわ」(福武書店) アフリカシリーズ。ヌー達の渡河は命がけです。河を生活に利用するお話もたくさんあります。「小川のほとりで」(講談社) のばらの村の物語のシリーズ。水車を利用したチーズ小屋はすてき。筏の上のパーティーもいいですね。「だってだってのおばあさん」(フレーベル) 川で魚釣り。上流は細くても下流は広くなって泳げますよ。

「かもさのおとおり」(福音館) かもは池や川で卵を孵すもの。安全な家を探すのは大変ですね。「14ひきのせんたく」(童心社) 涼やかな初夏の谷川での洗濯。このシリーズは他にも山の谷川が描かれているものがあります。「ペッテルとロッタのぼうけん」(同) 思わぬ冒険の途中で、森の奥の小川を見つけた二人。 暑くなるととやっぱり川で泳ぎたくなるもの。でも、着物をも
って行かれてしまいました「こすずめのぼうけん」(同) は、少し視点を変えて川の流れを見渡して行くことができます。「とりかえっこする」「ぞうくんのさかぽ」(同) どちらも源泉となりそうな池がでてきます。ずばり「川はどこからながれてくるの」(偕成社) は美しい絵画の中で源泉を求めて行く旅が描かれている名作です。「川」(福音館) はかがくのえほん。川の全体像がよくわかります。さいごに「きりのなかのはりねずみ」ここに不意に現れる川は、どこから来てどこに流れて行くのでしょうか。