ふしぎしんぶん
だい45ごう にじのはしの ふしぎ

虹の見える位置

ちょうど一年前の三月、虹色のお話を取り上げました。この時はシャボン玉や、道路の水たまりの油膜にできる虹の話でした。虹色は私達の心をとらえてはなさない色。虹色が見えるのは、太陽の光がこの七色を全て含んでいるからですと御紹介したのを覚えています。
赤から紫まで可視光線と呼ばれる光は、ふつう全色混じって白っぽく見えています。これを分けることができると、赤だけのところや青だけのところができて、私達の目にはやっと七色に見えます。
水やガラスに光が斜めに射し込んでくると、その進路が曲がります。これは光の屈折によります。
その時、どのぐらい曲がるか (屈折率) は、光の波長によって違っています。赤より青や紫の波長の短いほうが大きく曲がります。色により曲がり方が違うために、白い光は色別に七色に分かれます。
雨上がりの虹は細かい水滴の内部で光が反射して私達の眼に入ります。太陽からの光が水滴に入り、反射してくるためには、太陽が私達の背後にあり、水滴が私達の前方にある必要があります。
そのため、朝方の雨上がりや夕立ちの後に主に虹が見えることになります。飛行機にのっていると、真上に太陽があった場合、眼下の雲に丸い虹が生じることもあります。

虹はきわめて限られた角度でしか見えません。試しに戸外で霧吹きを使って虹を作ってみて下さい。自分に見えても、隣の人に見えなかったりします。
図の条件を満たすところに眼がない限り、その色の光は眼に入ることがなく、虹は私達に見えることもありません。
虹の橋に近付いていくと、このわずかの角度からはみだしてしまいます。そうすると、その虹を見ることはできなくなるのです。
夕立ちの後、美しくかかった虹を見ながら、この虹の真下の町にいる人にはこの虹が見えることはないのだと考えると、不思議な気がします。
すばらしいものの中にありながら、そのことに気がつけないさまざまな人間の営みが重なるかもしれません。


水滴とガラスビーズ

二重の虹が見えることもあります。これは、水滴の中でもう一度余分に反射した光が違った位置に作る虹です。太陽の位置がよく、水滴が広い範囲にあって可能になります。副虹とも呼ばれ七色の順番が正反対になります。二つの虹の間に鏡でも挟んで互いの像を映しているかのようです。
科学の祭典などで虹のトンネルを作る時は、水滴の代わりにガラスビーズを用います。ガラスビーズといっても、径が0.5ミリ以下の極めて細かい球状の粒で主に研磨用に使われているようです。




このガラスビーズ、もう少し径の大きなものは道路の夜光反射材などにも使われます。
夜光反射材はいろいろありますが、どれも再帰性(回帰性)反射を起こします。再帰性反射とは読んで字のごとく「再び帰る」つまり、光源に向かって光が帰るようになっています。
夜光反射材を身に付けておくと、車のヘ
ッドライトの光が当たると光源である車に向かって反射するので、暗やみでも運転手さんに気がついてもらえます。


今月の話題より・・・
ちょっと変わった絵本の楽しみ方

虹の下をくぐってみたい!子供の頃1度はそれを願ったことはないですか?虹の下をくぐる、虹の根元を掘ると宝物がある。子供達はその神秘性に引かれます。「くんちゃんとにじ」(ペンギン社)くんちゃんという子グマが虹の根元に埋まっている金を探すお話。「アニーのにじ」少女がにじの根元を探してたどり着いた先で出会った絵書きのおじいさんとの物語です。「だるまちゃんとかみなりちゃん」(福音館)御存じ、だるまちゃんがかみなりちゃんちゃんの落とし物をとろうとしてあげるのですが。「ロッコ君ジュースのまちへ」(同)ロッコ君とつきのこがジュースのまちに遊びに行きます。さて、このお話で虹はどこに出てきているでしょう!?「わたしのワンピース」(こぐま社)はウサギが空から降ってきた白い布を使って、ワンピースを作ります。そのワンピースで歩くと、お花柄、子鳥柄虹色へと次々と変わっていきます。

「いろいろへんないろのはじまり」(富山房)そこは灰色の国。赤も、青もありませんでした。そこでその世界の魔法使いが色を作りました。でも青色ばかりの世界はなんだか悲しい世界。赤色ばかりの世界はおこりっぽい世界。なかなかうまくいきません。ところがあるとき!「けろけろけろ」(学習研究所)可愛いカエル達が絵の具を見つけてそれで遊んでいます。手にもぺたぺた、お腹にもぺたぺた。「あめあがりのやくそく」(PHP)ミオが呼び出したにじのこ。にじのこはどんどん成長します。そしてとうとうお別れの時がやって来ました。「ノアのはこぶね」(女子パウロ会)「同」(評論社)ノアは神から予言を受けます。わたしは大洪水を起こす。お前は丈夫な箱舟を作り、動物を二匹づつと家族でのりなさい。最後の神との契約の空の虹は一番の盛り上がり。でも片方の本の色の並びは現実にはありえません。「きえたにじ」(リブリオ出版)一匹の狩りの下手なライオンが虹の出ている日一人で狩りに出かけます。自然ならではの峻酷さを美しく描いています