台所の科学

突然にクッキーの写真です。

これは、ハンガリーのクッキー。
ハンガリー大使館のエヴァさんが上の二つを作って下さいました。下の二つは、挑戦した娘とわたしの作品。できを笑うしかないのはともかくとして、アイシングをする度に思いますが、よくこれだけ滑らかで柔らかいものがきれいに固まるものです。

砂糖は菓子づくりで実にいろいろな形を取ります。牛乳、卵、ゼラチン溶液等、水分中にとけてくれます。イーストのえさになって発酵を助けてくれます。泡立ちを支え、バターにも混ざり、澱粉の老化を遅らせるので、固くなりにくくなります。煮溶かす温度の違いで、シロップにもなれば、カラメルにも、フォンダンにも、雲の糸を織り上げることもできます。

サトウキビの汁を煮詰めただけが黒砂糖、精製して白砂糖になりますが、各種ビタミンや無機質をたっぷり含むのは黒砂糖のほうです。いずれにせよ、サトウキビやテンサイに含まれているのはショ糖(スクロール)と呼ばれていて、ブドウ糖と果糖がくっついたものです。

糖には最小単位である単糖類のブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)があります。
ご飯を噛んでいるとデンプンが麦芽糖からブドウ糖に変わって・・・等という、実験を学校でやりました。長い長いデンプンの分子を、だ液の中にある酵素アミラーゼがちょん切って、短い麦芽糖にします。麦芽糖はブドウ糖が二つくっついた形で、水飴等に含まれているものもそうです。この麦芽糖はさらに、腸で酵素マルターゼにちょん切られて、もっと短いブドウ糖になります。

はちみつや果物の甘味は、主としてブドウ糖や果糖です。古くなったはちみつの結晶はブドウ糖が析出したものです。ブドウ糖も果糖も、糖としては一番小さいのですが、それでも、炭素6個、水素12個、酸素6個でできていて、結構大きい分子です。

人が消化できるデンプンやグリコーゲン、人が消化できないセルロース、マンナン等も糖類ですが、これらはたくさんのブドウ糖がくっついた多糖類。デンプンのように分解されれば吸収され、栄養素になります。セルロースのように分解されなければ、便通をよくします。

人に消化できないセルロースですが、パンダや、馬のような草食動物は体内微生物のはたらきで長いセルロース分子を分解して、利用できます。