台所の科学

風でスイカが冷える?

果物の皮を剥いて放置しておくと、乾いてきます。
乾くのは水分が蒸発するから。水分のパーセントが多い果物なので、ミカンの薄皮などパリパリになります。それでも橙の粒々の中のみずみずしさが保たれるのはたいしたもの。
水分が蒸発するとき、つまり、水の液体が気体になるときには、どうしても熱が必要です。水を火にかけると湯気が上がるように、熱を必要とするのです。
もっとも、100℃になって沸騰しなくとも、空気の湿度が低いと(空気がもっと水分を含めるぞ!という乾いた状態だと)、水は少しずつ気体になって、空気の中に混ざっていきます。だから洗濯物が乾くし、果物も乾いていまいます。
実は、この時にも、熱がいるのです。
果物を暖めていない!とお思いかも知れませんが、果物も周囲と同じ温度になっていて、ある程度暖かい。この熱を奪って、水が蒸発していくので、果物自体の温度は下がります。地中海周辺やサハラのような暑い乾燥地帯で、スイカを切って風に晒したまま売っていたりしますが、あれはあれで結構ひんやりとするからです。冷蔵庫などなくとも、冷たい井戸に丸ごとつけなくとも、手っ取り早く冷やせます。
コップに水を入れてしばらく置くと、たいてい、周囲の気温より低い温度になります。これも、蒸発の際に熱を奪っていくからです。
空気とコップの水の温度差が大きいほど、水がどんどん蒸発している証拠で、つまり、空気が乾いていると言うことです。湿度が低い。実験室などで湿度何パーセントかを知る湿度計は、この原理を利用しています。